むち打ち症は外傷性頸部症候群の一種で、特に自動車の追突事故により多発する症候群であります。頸部痛、上肢痛、しびれ感、めまい、吐き気などの症状を呈します。自動車同士の衝撃で頸椎がずれたり、靭帯が損傷したり、筋肉が捻じれたり、椎骨動脈に影響を与えたりすることが原因と考えられています。
むちが空中でしなるように、首が激しく前後に振られるために起こる障害のため、むち打ち損傷と呼ばれ、その多くは頸部の挫傷や頸椎関節の捻挫であります。むち打ち症は追突事故のほか自動車の急発進、急停車、労災、スポーツ外傷でも起こることがあります。
症状は先ほど述べたように頭痛、首すじ・背中・肩の痛み、耳鳴り、めまい、吐き気など様々ありますが医学的には認められることが少なく、不定愁訴として根治には時間を要することが多いのもその特徴の一つです。
診断・治療には通常、整形外科医院や病院にてレントゲン画像検査が行われますが、異常が確認されない場合は、湿布や頸部コルセット、飲み薬などで様子を見るほかなく、積極的な治療が行われていないのが現状です。こうした中で鍼灸療法は著効を示す治療法であります。あまり知られていなませんが、むち打ち症は、健康保険による鍼灸療法が認められている6つの疾患の一つでもあります。
当院はむち打ち症患者に対し、『経穴刺激理学療法』として鍼灸療法を治療に応用している高崎市ではまだ珍しい接骨院です。具体的にいうと、例えば首の前面に胸鎖乳突筋という筋肉があります。むち打ち症で首が左を向いたままの患者は、反対側の胸鎖乳突筋が強く働いている可能性があります。そうゆうときには異常姿勢をもたらす右の胸鎖乳突筋を直接刺激するのではなくその筋を通る経絡を考慮し経穴(ツボ)を選択します。この場合右手の合谷というツボを使うことで症状の改善をはかります。このように患部以外に注目し患部の症状を軽減することによって、いままで偏在していた重心と体幹筋の補正も行います。そして姿勢へのアプローチを経て『全身治療』へと進みます。
むち打ち症などの交通事故治療は頸部だけではなく背部、腰部、四肢の異常も数多く見受けられます。当院では鍼灸を用いての『経穴刺激涼理学療法』と並行して、博田節夫先生考案の『AKA(関節運動学的アプローチ)』を用いて関節包内運動の異常を治療しており、頸部はもとより、背部、腰部、四肢の各関節の機能障害も治療しております。AKAは痛みを伴うような骨盤矯正とは違い、痛みを全く惹起させない高度な治療手技であります。
また当院では新鮮なむち打ち症(事故後1ヶ月以内)ではなく、陳旧性(事故後3ヶ月から半年以上)の事故後遺症のむち打ち治療も行っております。昔からの言葉で『灸はきゅうに効く』という言葉があります。諸説ありますが、ここで言うきゅうは『急』の意味はなく、『久』の意味であると言われています。『灸は久病に効く』、つまり慢性疾患になったむち打ち症はお灸が著効すると言われています。
当院では、鍼療法、灸療法、AKA療法、マッサージ等手技療法、電気等理学療法で、むち打ち症患者、交通事故患者を治療いたします。お気軽にご来院ください。